2024/11/28は専攻医K先生、Y先生の振り返り発表と、奈良市立都祁診療所の西村正大先生をお招きし「システムに基づく医療」についてご講演いただきました。
▼専攻医K先生の振り返り
訪問診療で担当された患者さんが、往診に向かう際に亡くなられた件について振り返られました。看取りの時に感極まり、強く感情を揺さぶられ、明確に取り乱してしまうことがあり、その時のもやもやを共有・分析していただきました。
「患者さんの死に対面した時このように強い感情を抱いたことは?」をテーマにグループディスカッションを行いました。キューブラーの死の受容過程、感情労働、情動指数(EI)や心の知能指数(EQ)などについても学ぶ機会があり、大変興味深い振り返りでした。
▼専攻医Y先生の振り返り
SFMのプログラム一環でミシガン大学家庭医療学講座で研修を受けられた際の学びについて振り返っていただきました。
労働時間、かかりつけ医システムの特徴、革新的なカルテシステム(患者へのアクセス、チャット機能、迅速な意思決定)、リフィル処方、オンライン診療などについて共有していただきました。その中で、日本でも比較的行いやすそうなオンライン診療についてのメリットおよびデメリット・医師の働き方改革にオンライン診療が果たす役割・期待される成果や新たな視点や実現可能なアクションプランなどについてグループディスカッションを行いました。
SFMでは研修としてミシガン大学に行けるのですが、日本で家庭医として働くことに多少慣れてきたこともあり、是非アメリカの本場の家庭医療を見に行きたいなと思いました。
▼スペシャルレクチャー西村 正大先生
「システム医療に基づく医療」について、講師としてオレゴン健康科学大学(OHSU)家庭医療学講座でリサーチフェローとして「プライマリーケアの診療の質評価」に従事された奈良市立都祁診療所の西村正大先生に来ていただきました。現地の家庭医療学講座で行われている診療の質評価にて感銘を受けられ、日本に戻られてからもその分野で第一線で活躍されていらっしゃいます。
講義では、①医療の質評価対象として重要な要素、②医療の質改善の方法論、③日常診療の中で実行可能な質改善計画について話していただきました。steep、donabedian model、quadruple aimなどについてのレクチャーがあり、またそれらをもとにグループディスカッションでは③について各診療所ごとに実行可能な質改善計画について話し合い、最後に先生からフィードバックをいただけました。かなり実践的な内容であり、今後の診療の中で是非取り組みたいと感じさせられる、大変有意義な時間でした。