★GRダイジェスト★8月26日(木)に今年度10回目のGR(グラウンドラウンド、俗にいうレジデントデイ)を行いました。
新型コロナ感染症拡大を受け完全オンラインでの開催です。
今回も、他院の先生をお招きしてのレクチャーおよび専攻医2名による振り返り発表を行いました。
以下、ダイジェストです。
①スペシャルレクチャー!!南砺(なんと)市民病院 総合診療科 大浦誠先生「ケースで学ぶマルチモビディティ」 毎回御高名な先生をお招きして開催されるレクチャーですが、今回はなんと…!!
南砺(なんと)市民病院 総合診療科 大浦誠先生によるレクチャーでした!
ところで皆さま、『マルモ』という言葉をご存知でしょうか。
私はついこの間まで10年前にブームを起こしたあの可愛らしいわんちゃんを想像しておりました。
総合診療界隈で耳にすることも多くなったこの言葉、実は多併存疾患(マルチモビディティ)の略であり、その名付け親はなんと…!!南砺(なんと)市民病院の大浦先生だそうです。
ということで今回のテーマは「ケースで学ぶマルチモビディティ」でした!
昨今、超高齢社会の中で複数の慢性疾患を抱えた上に、心理的/社会的問題が重なり非常に複雑化した状況の患者さんと出会う機会が増えております。臨床経験も人生経験も少ない若手医師にとっては非常に悩ましい問題となっておりますが、今回の御講演ではそんな若手医師に複雑に絡み合ったマルモ関連問題の解きほぐし方のコツをわかりやすく伝授していただきました!
御講演の前半は、マルモ症例で注目すべき4つのポイント、バランスモデル、3つのポリへの対策、そしてマルモ四則演算と、目からウロコの内容盛りだくさんでした!
後半には、提示症例を参加者自ら想像力の許す限りに複雑化し、それを逆に紐解いていくという新スタイルグループワークショプが行われ、大興奮の1時間となりました!
気になる方は大浦先生のブログにワークシートが掲載されているのでチェックしてみてはいかがでしょうか!
https://moura.hateblo.jp/entry/2021/08/26/144913 今回御講演いただいたテーマは、新家庭医療専門医ポートフォリオの領域でもあり、家庭医を目指す上で深く考察すべきテーマのひとつでもあります。今回学んだメッセージを胸に、是非ともつなナラ(つながり、ナラティブ)を大切にできるバランス感覚のある家庭医を目指したいものです。
大浦先生、貴重な御講演誠にありがとうございました。
②振り返り発表今回は専攻医(2年次) 2名による振り返り発表でした。
個性溢れる発表で家庭医の多様性を改めて感じることができました!
<専攻医O>『初めての訪問診療』多愁訴、多疾患併存を抱えたいわゆる"Difficult patient"の患者さんと訪問診療で出会い、様々な感情が芽生え悩みながらも時間をかけて状況を好転させることができた症例を共有してくれました!様々な心の葛藤が垣間見える発表で、3ヶ月間の出来事とは思えない非常に濃密な内容でした。またCALMER approach、positive BATHE techniqueといった医療面接技法も共有してくれました!
様々な背景の患者さんと出会う家庭医にとって、お手上げ状態の複雑困難事例において何とか全体像をつかみ解決の糸口を見出していく過程は腕の見せ所の一つなのかもしれません。粘り強く丁寧なアプローチを重ねた今回の経験は、きっと今後の診療の糧になるのではないかと思います!
<専攻医I>『I先生の絵日記』2ヶ月間の産婦人科研修での印象に残った出来事を通して、家庭医としてのキャリアにおける女性医療との向き合い方について見つめ直した発表でした。指導医はもちろん、助産師さんなどのコメディカルとも良好な関係性を築き研修生活を送ることができたとのことで、その"教えられ上手"な人柄の秘訣も気になるところでした!
画面越しから伝わる、生き生きとした表情と声色からはその充実ぶりが伺われ、"らしさ" 満載な振り返りでした。全スライドから楽しさと希望が溢れる笑顔いっぱいの発表でした!
このように、SFMは家庭医療学をみんなで楽しく学び、実践しています。ご興味のある方はぜひご連絡ください!
(専攻医K)
【次回予告】
9月9日(木)
専攻医3名による振り返り発表