★GR(レジデントデイ)ダイジェスト★
1月13日(木)にGR(グラウンドラウンド、俗にいうレジデントデイ)でした。
専攻医の3名の振り返りをしていただきました!
以下ダイジェストと自分の感想です。
専攻医① 船上での不審死事例
領海外での外国籍の船上で発生した死亡例に対して検案を行った経験を共有してくださいました。
倦怠感、呼吸苦を訴えていた方が、CPA状態で発見され、海上保安庁から代理店を通して、依頼が来て、遺体を病院まで運んできて検案となったようです。検案の結果、SARS-Cov-2陽性ということで、保健所と相談し、新型コロナウイルス感染症を死因として検案書の作成となったようです。
今回の事例は、公立病院で働いているならではの依頼と思い、この経験を共有されたのは貴重だなと思いました!
専攻医② 原点回帰
この原点とは、当専攻医が救急専攻を終えたのちに家庭医専攻医として道を歩み始めたときのこと。救急医として感じていたAdvance Care Planning (ACP)の大切さを、家庭医として向き合ったことを振り返っていただきました。
80代男性で、発声困難、呼吸困難で入院となった方。trajectory curveからは老衰の経過の末期。同居している妻・息子は、代理意思決定能力がなく、発生困難の本人に同意能力の4つのキャパシティーの観点から意思決定能力があった。Bad news tellingにおけるSPIKESと共感スキルのNURSEを駆使した本人との52分間が、図らずも最期の52分間となったようです。詳細な省察であり、振り返りとしてとても勉強になりました!
救急医×家庭医の先生が今後ACPに対してどう向き合っていくかが楽しみです!
専攻医③ 降圧薬いつ飲む?
30代男性に夕食後にアムロジピンを処方した症例に関してプリセプティングの先生とのやり取りから就寝前にのむべきというEBMの実践に関して振り返りをしていただきました。
根拠としたのは2019年に発表されたHygia trialと言われる論文でした。降圧剤を起床時に飲む群と就寝時に飲む群に分けて、6年間フォローすると、就寝時に飲む群の方が、心血管イベント、脳卒中のリスクが低い結果で当時話題となったようです。プリセプティングでは、日本人は、夜間血圧下降するdipper型が多いため、夕食後に飲むことで、過降圧になり、脳梗塞などの有害事象が起こるのではないかとの指摘があったようです。そこからEBMの5つのステップに従い、なんごろくのはじめてトライアルシートを用いつつ、論文を批判的吟味しつつ、当論文を批判する論文も取り上げていただきました。最終的には、患者に24時間自由行動下血圧測定(ABPM)を実施し、通勤時に血圧が高いため、起床時に変更したそうです。
EBMの実践に関する濃い症例でとても勉強になりました!