1月25日(木)GRを開催いたしました。
今回は専攻医3名の振り返り発表です。
専攻医Y先生
予防医療に関して振り返りしていただきました。 発表内で「Opportunistic Prevention(慢性疾患など別件での受診を契機に予防医療を実践する)」という概念を紹介していただきました。また重要度・緊急度マトリクス(緊急度×重要度の四分割表)を用いて予防医療の重要性と実践のしにくさを分析されていました。緊急度が低いと後回しにしがちですよね。そして実際に先生が経験された症例をベースに、1回の受診を予防医療実践のチャンスとして活かすことの重要性を振り返られていました。
専攻医K先生
在宅診療研修を通して看取りと老衰について振り返りしていただきました。 在宅における死亡確認の特徴として述べられていた「その家のペース・空気感を壊さないように看取りを行う」ことは、今後の在宅での看取りで実践していきたいです。 老衰についても考察を深められており、老衰という診断が個々の医師の裁量に任されている現状を踏まえたうえで、老衰と判断した臨床像・確認事項に関する研究を紹介されていました。老衰の診断には緩徐な状態変化を把握するための長い時間軸が必要であるという点はコンセンサスが得られており、継続性という面で家庭医の強みを生かすことができる領域だと感じました。
専攻医M先生
在宅医療における看取り後の遺族ケアとグリーフケアについて振り返りしていただきました。 予期された在宅癌患者の死と残された妻の悲嘆と孤独感、訪問診療途中の予期しない入院先での死亡、終末期の夫に対して理解・受容が困難な妻の複雑な悲嘆という経過が全く異なる3例について考察されており、それぞれの経過の中で感じたモヤモヤを言語化して臨床疑問に昇華されていました。 ディスカッションの中では様々なグリーフケアの形が挙がりました。その中でも遺族会は特に心の拠り所になれるのではないかと感じました。