5月23日のGRでは6月に開催される日本プライマリケア連合学会学術大会への予演会が行われました。
以下予演会のダイジェストになります。
O先生
中学生と保護者を対象とした性教育に関する講演会を実施することで、月経や性の意識がどのように変化したのかという研究を発表される予定です。 講演会前後で実施したアンケートの結果から男子・女子・保護者の意識変化が詳しく提示されており、大変盛り沢山な内容でした。講演会後に女子では同性間の連帯感が生まれたという意見や、保護者から親視点での性教育の必要性について言及した意見があり、講演会によって様々な意識変化がもたらされたことが示されていました。
K先生
慢性心不全患者のケア移行における循環器内科専門医とプライマリ・ケア医のACPに対する認識や姿勢について、ポスター発表される予定です。 入退院を繰り返しながら全身状態が衰弱していく慢性心不全患者において、急性期医療機関と診療所間の情報共有、特にACPは重要です。そこで診療セッティングや機能の異なる施設に勤務する専門医がそれぞれどのようにACPを捉えているのか明らかになることで、より効果的なケア移行の基盤形成が期待されます。現在ACP推進のために様々な自治体から情報共有ツールが提案されており、臨床と行政の連携にも発展できそうな可能性を感じる発表でした。
指導医H先生
専門医受診のハードルが低くゲートキーパー機能が少ない日本の診療所について、「内科標榜診療所医師の診療範囲とその関連要因」を発表される予定です。診療範囲の広さに関しては日医かかりつけ医、スーパーローテート研修の経験、へき地勤務の経験、幅広い診療を心がけていることなどが関連要因として挙げられた一方で、在宅・緩和医療、小児、思春期、女性医療に関わる診療所は少なく、プライマリ・ケア医としてこれらの領域に対応することの重要性を再認識することが出来ました。
指導医I先生
総合診療医の視点から包括的産後ケアの意義・実践・課題・展望についてシンポジウムで発表される予定です。 日本ではプライマリ・ケア医や総合診療医が包括的産後ケアチームに含まれていない点を問題点として挙げ、総合診療医による包括的産後ケアの実例として森町家庭医療クリニックで実施されている母子ケースカンファを紹介されていました。プライマリ・ケア医として出来る産後ケアの役割を知り、より実践を見据えた研修を心がけていこうと思う機会になりました。