10月14日(木)にGR(レジデントデイ)を行いました!
今回は1年目の専攻医3名による振り返り発表でした。
●専攻医振り返り①:『はじめての一人当直と孤独死』
専攻医1年目のY先生がひとり当直で経験した孤独死の方の検案症例を元に、検案の流れと孤独死の現状やリスクファクターについて発表してくれました!
死後経過時間推定のために死斑や硬直、直腸内温度、角膜混濁、腐敗現象を観察し、警察の現場検証とすり合わせて“推定"していく過程を実際の症例でリアルに感じることができました。“独身男性"が孤独死のリスクファクターであることも印象的でした。
少しギョッとするタイトルでしたが、私たち家庭医は孤独死の背景に潜む地域社会や医療体制などの問題にも目を向け、向き合っていかなければならないと感じさせられた深い発表でした。
●専攻医振り返り②:『マルチモビディティ(多疾患併存)』
クリニックの外来で出会った多疾患併存(マルチモビディティ)の患者さんについて振り返り発表を行ってくれました!
軽度認知障害、脳梗塞後、変形性膝関節症などを抱えている80代の方で、複数医療機関受診による多剤併用や最近飲酒量が増え社会参加が乏しく無気力となっていることが問題点として挙げられていました。この方に対して、『マルチモビディティ(多疾患併存)』の観点で成書や診療ガイドラインを元にできていること、できていないこと、これからすべきことを丁寧にまとめてくれました。
ご高齢で複数の疾患を抱える方は、BioだけでなくPsycho, Socialな問題も必ず抱えており、今回のような丁寧な診療や振り返りが大事なんだなと感じ自分も参考にしたいなと思いました。
●専攻医振り返り③:『複雑な生活背景から治療をDropoutしたEGPAの一例』
ローテート中のリウマチ科で経験中の社会的にとても複雑な背景を持つ、通院を自己中断した難病患者さんの一例を発表してくれました!
はじめ患者さんは通院を自己中断した理由を“大人の事情"とはぐらかしていましたが、じっくり話を聞くいていくと、最近家族と離縁したことや経済的に困窮していること、家がいわゆるゴ○屋敷状態であることなどが判明しました。これらの問題に対してどう向き合えばいいか、発表中にアイデアを募集するかたちでの双方向型/未来志向型の振り返りでした。SFMの指導医陣や専攻医からは難病申請や生活保護、清掃業者、家族サポートの模索など多種多様なアイデアが出てきました!
SFMでの振り返りは“うまくいった症例"だけでなくこのような“悩んでます症例"も扱っており、振り返り発表の懐の深さも感じられた一例でした。
(専攻医M)
★次回予告★
10月28日(木)
・スペシャルGR: 浜松医科大学小児科 夏目統先生『食物アレルギー』
・専攻医1名による振り返り発表