10月28日(木)にGR(グラウンドラウンド、俗にいうレジデントデイ)でした。
専攻医の振り返りと、浜松医科大学小児科学講座 夏目統先生に食物アレルギーの講義して頂きました!
以下ダイジェストと自分の感想です。
専攻医①
「やってみようCbD」
CbDとはCase-based Discussionで、症例を専攻医が簡単にまとめ、それをもとに指導医と30分ほどディスカッションするというものです。我々専攻医は年四回やることが目標として掲げられています。このCbDは、専攻医も指導医も手探り状態であり、CbDのうまい活用方法を紹介してくださいました。
CbDの良い点
・患者情報や経過が整理される
・家庭医療学のコンピテンシ―が学べる
・指導医とのディスカッションでより深まる
・患者診療に還元される
・ポートフォリオを書ける
CbDを用いて家族志向のケアと多疾患併存のポートフォリオを書き上げることができたとのことでした。
CbDと手探りのものを患者診療への還元、そしてポートフォリオへとつながるロードマップを作ってくださったのは、とても感謝でした。
☆スペシャルレクチャー☆
浜松医科大学小児科学講座 夏目統先生
「食物アレルギー」
食物アレルギーに関して膨大な情報を実践的かつ家庭医でも使えるということに着目して講義してくださいました。
まず、食物アレルギーは、症状を把握する
食物アレルギーの即時型(IgE依存性)症状は、摂取後5-15分で首から上の症状(口腔周囲症状等)に始まりに、30-60分で自然に消失。また摂取15-120分以内に全身症状(蕁麻疹等)になり、出現後30分から2時間で改善する。
非即時型(非IgE依存性)の症状は摂取から12時間以降に湿疹が出現してくる。
この出現パターンから考えると、
・摂取からの出現時間と継続時間で、食物アレルギーによる蕁麻疹なのか、疑わしい食べ物は何なのかを見極めることができる。
・治療やアナフィラキシーにならないかの経過観察期間を考えることもできる。
・カルテの記載方法もこれ沿って書くようにする
このことだけでも日常の診療が変わると感じました。
その他にも、
・血液検査としてどの項目を提出するのか。
原則は疑ったものだけ、説明しないならほかのものは調べない
卵→オボムコイド、牛乳→牛乳、小麦→小麦、ナッツ→ピーナッツ・アーモンド・クルミ・カシュー(一つ一つ調べる必要あり)、甲殻類→エビ、軟体類→イカ、魚卵→いくら・たらこ
・負荷試験が陰性でも、自宅摂取で10%前後の症例で症状出現してしまう
・負荷試験の閾値は口腔周囲症状ではなく、全身症状とする
・負荷試験前の二週間除去が現実的
・「乳製品は1歳まで除去、卵は2歳まで除去、ナッツ・魚は3歳まで除去」には根拠となる研究なし
・食物アレルギー発症の3要素:食物の除去、環境中のアレルゲン、アトピー性皮膚炎
→予防には、早期からの摂取開始、環境歴のチェック、アトピーの治療がよい
などなど、盛りだくさんの内容でした。
まずは、問診をしっかりとやるところからスタートかなと感じました。
★次回予告★
11月11日(木)
・専攻医3名による振り返り発表